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徹底討論 犯罪報道と人権 [本の紹介]

10年位前に買った本。
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本の感想は、「マスコミへ就職希望者なら読んでおきましょう」と云ったところ。

p.99
事件報道は、読者の知る興味(知る権利、と言わないところがイイね)に答えるのではなく
①予防・鎮圧に役立つよう市民の行動を呼び起こす
②市民の自衛に役立つ情報を伝える
③社会の側にある問題点を考える契機を提供、その解決を促す
④市民による刑事司法の監視
とあり、一応私も同意なのですが、読者、視聴者の多くはその辺の理解を恐らくしていないでしょう。していたら余りの無意味な記事や放送内容に苛立ちは頂点に達するはずですから。

判りやすくいうなら、「上野動物公園で虎が脱走し、観客2人死亡。現在佃島辺りを逃走中」という事故があったとしますよね。
①、②の観点からいえば子供を車で迎えに行くとか避難するといった行動に役立てます。
しかし、逃走で通過した商店街の店主にインタビューをして「どんな様子でしたか」なんて映像を見ても仕方が無いのです。”①~④の有益な情報を求める視聴者”から見れば無意味なんです。更に、大阪・福岡その他全国の人にとっても意味の無い報道と云うことになります。全国の動物園管理者は興味を持つでしょうが、それも原因が精査されてからの情報にならないと役に立ちません。しかし恐らく記事としては良いネタになるでしょう。興味本位な読者が大勢いますから。

秋葉原や千葉、八王子で無差別殺人がありましたが、①②に加えて③の要素も重要になります。しかしながら③の観点から報道したものは少数でしょう。芸能コメンテーターが取ってくっ付けた様に「社会に潜む闇を感じずにはいられません」みたいなものは只の間を埋める為のものであって意味を成していません。これもニュースとしては良いネタですね、視聴率稼げますから。

さてさて脱線しかかってしまいましたので本の感想に戻りますが、警察と取材陣の癒着に触れたり若い記者の喧々諤々とした議論を避ける風潮を危惧したり具体的な冤罪事件を持ち出してどうあるべきだったか討論したりと、内容は盛り沢山。レポーターや記者が犯人追求者となってしまい警察に感情移入し検証もされていない記事を書き飛ばす内部批判もベテランならではの意見。

参加者は弁護士、論説委員、記者、メディア論助教授、社会学教授など6名で行われたがいずれも見識が高く成る程と思わせる発言が光っていた。


しかし、私が最後にダメ押しをしてあげます。どんなに見識が高くても、読者視聴者の意識レベルは見事なまでに下がっています。そして、その下がった底辺層の一般大衆に買い支えてもらわなければ成り立たないのがマスコミという業界。レベルで見れば新聞>テレビですが、新聞購買層がテレビ視聴に流れた昭和の時代から既に真面目に自制を持った報道が敬遠され、面白おかしく書かれたものが受け入れられる風潮は明らかになった訳ですよね。社内でも恐らく「面白いを追及して何が悪い」という意見が幅を利かせていることでしょう。そして昨今テレビ離れが加速していますが、ネットの普及が大きな要因です。もう、面白おかしいものをテレビに求める時代でも無くなった訳です。テレビを見ないと聞くと一昔前は孤高な人と思われたかもしれませんが今は意識レベルが底辺と思われる人もテレビを見なくなりつつあります。底辺でも見るのはネットが出来なかったり自分の意見を持ち発言することの無い人でしょう。

意識レベルの低い一般大衆に支えられた政治を衆愚政治と呼びますが、同様な状態に早く陥ったマスコミに何ら関心を持っていません。情報の最先端にいるという思い上がりは既に思い込みになってしまった訳ですからね。

この本を買った時はまだ、僅かにマスコミの良心を信じていたからだったのでしょうが今の私には完全に無用となりました。

もう一度書きます。
本の感想は、「マスコミへ就職希望者なら読んでおきましょう」と云ったところ。
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