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古都 川端康成著 [本の紹介]



読者は作家や作品に対して、読む前から身勝手な印象を持つものである。印象といっても好き嫌いという単純な物から何となく敬遠するという類のものまで人それぞれあるだろう。私は川端康成の作品を避けてきた。理由は、「まどろっこしい」という、これまた身勝手な印象を持っていたからだ。
食わず嫌い、基、読まず嫌いだったのではない。「伊豆の踊り子」は小学か中学の頃読んだ記憶があるが、これが良くなかったのかも知れない。すっかり彼の作品への「取っ付きにくい」というイメージが定着してしまったのだ。当時は、赤川次郎や西村京太郎を貪っていたので純文学の代表作みたいな物が合わなかったのも仕方がなかったのかも知れない。

さて時を大分経て、手に取って読んでみた今回の作品はどうであっただろうか。


評価:5

会話の中に細やかな心情の変化を織り込む力は天賦の才に拠るものか。会話の一つ一つが感情を刺激し、狂おしくさえなる。また、千重子が喧騒を軽蔑したり、秀男が西洋文化を無理やり取り込もうとする太吉郎を非難したりした場面は著者の思いでもあるのではないだろうか。日本の美というと大袈裟に聞こえるが、言葉の微妙な揺れで心を通わせられるのが日本語の醍醐味であり、それを作品にして見事に完成させるのだから、やはり素晴らしいとしか言いようがない。

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